カレンダーができるまで
創業から百二十余年のあいだに、製版・印刷・製本システムは目覚ましい進歩を遂げました。コンピュータ導入を機に大きく転換したシステムは、これからもますます進化を続けていくことでしょう。
トーダンは、商品の高い品質を維持していくため、経験豊富なスタッフが多様化するユーザーニーズに対応すべく、常に新しい情報の収集とシステムの構築に努めながら、これからもカレンダー文化を支え続けてまいります。
1. 企画


企画グループにおいて、「お客様がカレンダーを作る目的・コンセプト」を充分に理解したうえでミーティングを行い、たくさんの資料の中から、カレンダーのイメージに合う絵柄やデザインを選定し、検討していきます。
2. デジタル版下


絵柄・デザイン・カレンダーのレイアウトが決定すると、PCでの版下作成作業に入ります。版下完成後、制作工程の中でも重要な作業である文字校正を行い、その後データを茨城工場や協力工場へ送信します。
3. 製版


版下データからデジタルコンセンサス(デジコン)や本紙色校正を出力し、データの不備・異常、色調の確認をした後、改めて文字校正を行い印刷用データを完成させます。
4. 生産管理

すべての受注と製造指示は独自のシステムで管理されています。そして案件ごとにバーコードが割り当てられており、各工程の進捗状況をリアルタイムで照会することができます。
また、このシステムで各商品に使用される資材の発注や在庫管理もされています。
5. オフセット印刷


茨城工場では、1色刷りと2色刷りの印刷機が配備されています。専任のスタッフが刷り上がったカレンダーを一定間隔で抜き取って、念入りにチェックし、印刷のズレやインクの乗り具合などを確認。必要に応じて機械の調整を行います。
6. 裁断


印刷されたカレンダーを、商品のサイズに合わせて断裁します。専任スタッフが、紙のくせや伸び縮み、用紙の厚みなどを考慮し、断裁機を調整します。
断裁されたカレンダーは、特定の数量ごとに印となる紙を挟み、次の製本工程にまわします。この数量管理により、製本での乱丁・落丁の発生を防ぎます。
7. 丁合


カレンダーを正しい順番にそろえる丁合という作業を行います。丁合の仕方は製本方式やサイズ、仕様によって変わります。 数量管理での乱丁・落丁防止に加え、専用のバーコードリーダーやカレンダー1冊ごとの厚み検知を実施し、最終的には目視による検品を行います。
各棚にセットされた紙が1枚ずつ抜き取られて1冊のカレンダーになります。



バーコードを使用し、ページ順のチェックを行います。さらに丁合・製本連結機では、厚み検知機により枚数が多くないか、少なくないかのチェックも行われます。
機械での丁合が難しいものは、専任スタッフの手作業で丁合が行われます。手で丁合されたものは、階段状に並んだ背丁の目視確認で、乱丁・落丁を防止します。
8.壁掛けカレンダーの製本


丁合のとれたカレンダーは、製本工程へと移行します。
カレンダーによって大きさや製本方法が異なります。ここでは、紙のホルダーで製本されたホットメルト製本と金具製本を紹介します。
ホットメルト製本とは、ホットメルト材を約130℃で溶かし厚紙を固定する製本方法で、エコのイメージが伝わりやすい製本です。



金具製本とは、鉄板を留具にした、昔から多く見られるカレンダーの製本方法です。丁合機と製本機をL字型に連結することで、さらに高い生産性を実現します。
各機で製本されたカレンダーは、留具の状態、紙の止まり具合、ミシン目の状態、留具周りの傷・汚れのチェックが行われ、箱に詰められていきます。
9.卓上カレンダーとダイアリーの製本



卓上カレンダーやダイアリーには、360度開けるツインリング(Wリング)製本が多く用いられます。ツインリング製本とは、ナイロン被膜線を使用したリング綴じの製本で、印刷物にリングを通すための穴あけ加工を施して小型の丁合機でページ順に揃え、リングを取り付けます。
カレンダーによっては袋に詰めるだけでなく、シール貼りやアッセンブリ作業があります。アッセンブリの際は重量検知を行い、紙一枚の入れ忘れも防止します。また、箱に入れてからも重量チェックで箱の入り数を確認します。
10.名入れデータ

受注されたカレンダーに、社名を刷り込むためのデータを作成します。できあがった名入れデータは、サーバーに保存されます。
膨大な量の名入れ原稿を番号管理することにより、住所や電話番号などの版の修正作業が迅速に処理できます。
11.名入れ版CTP出力


製本されたカレンダーには、まだ社名などが印刷されていません。工場では、本社で製作保存された名入れのデータをダウンロードし、印刷のための刷版を出力します。
各印刷機に合わせたサイズで刷版が出力されます。
12.名入れ印刷・平動印刷


製本されたカレンダーに、平動印刷機を用いて社名を刷り込みます。この印刷方式は、小ロット対応に即した生産体制として重要な役割を担っています。専任スタッフにより高精度な印刷仕上がりと納期の短縮に大きく貢献しています。
専任スタッフの手により、1ページずつ社名が刷り込まれます。
13.名入れ印刷・オフセット印刷

大ロットの印刷の場合は、オフセット印刷機を用いて、カレンダー印刷物に社名を刷り込み、その後に製本を行います。 インキを調合し、指定された色を作り、オフセット印刷で社名が刷り込まれます。
14. 名入れ印刷・箔押し印刷

卓上カレンダーやダイアリーには、箔押し印刷で社名が刷り込まれます。専任スタッフの高い集中力と技術が要求される印刷工程で、箔押しならではの重厚感のある商品に仕上がります。
専任スタッフが、紙や塩ビなどの材質の違いにより、箔材を選び作業が行われます。
15. 保管・発送



名入れされたカレンダーを全国に発送するロジスティックス・センターは、およそ170万冊ものカレンダーの収容能力を備えています。
スムーズなパレットの積み込みや保管、さらには、ピッキングを容易にしています。
充実したサポート体制のもと、本社と連動したシステムにより、大量部数から少量部数まで迅速・丁寧に発送を行います。
〈当ページの動画、画像は2019年以前に撮影されたものです〉