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「今日」がひと目でわかる
スライド日付マーカーができるまで

カレンダーを見たとき、「今日」がどこなのか、すぐに見つけられないことがあります。
トーダンの「スライド日付マーカー」は、赤や青色の枠で日付を囲み、指で動かして使うカレンダー用の日付マーカーです。 現在の形になるまでには、付箋やマグネットを使った試作と、長年にわたる改良がありました。
「今日が何日かわからない」という声から始まった
スライド日付マーカー開発のきっかけは、ある高齢者施設で聞いた入居者の声でした。
「今日が何日かわからなくなることがあるので、何か対応を考えてほしい」
施設の職員用事務所にはカレンダーがありましたが、入居者が日常を過ごす共有スペースや食事をする場所には、カレンダーが設置されていませんでした。
そこで、カレンダーメーカーである当社は、大きな文字で日付を確認しやすいカレンダーを施設へ提供しました。過ぎた日付に斜線を引けば、その次の日が「今日」だとわかります。しかし、実際には斜線が引かれず、カレンダーは壁に掛けられたままでした。
ここで気づいたのが、日付が見えることと、「今日」がわかることは同じではないということです。 カレンダーに日付が並んでいるだけでは、今日がどこなのかまでは伝わりません。そこで、誰でも簡単に「今日」を示せる方法を考えることになりました。
海外のカレンダーから得たヒント
解決方法を考える中でヒントとなったのが、ドイツで使われていた、あるカレンダーです。
それには、赤の四角い枠がデザインされた透明のバンドが巻かれていました。赤い枠を左右に、バンドを上下に動かすことで、今日の日付を目立たせる仕組みです。バンドの締め付けに耐えるため、最終ページには厚紙が使われていました。
よく考えられた方法でしたが、日本の標準的なカレンダーには厚紙が使われていないため、そのまま取り入れることはできません。どんな紙製のカレンダーにも使える、汎用性の高い日付マーカーの開発が始まりました。

最初に試したのは、貼ってはがせる付箋方式
最初に考えたのは、付箋のように貼ってはがし、毎日移動させる日付マーカーです。
試作品を作り、約1年間にわたってテストを行いました。
コート紙のカレンダーでは数ヶ月使用できるものもありましたが、上質紙では1ヶ月ほどで粘着力が弱くなる場合がありました。また、毎日貼ったりはがしたりすると、指でつまむ部分が汚れたり傷んだりすることもわかりました。
カレンダーは商品によって使われる紙が異なります。さまざまなカレンダーで1年間安定して使えることが必要だったため、付箋方式の商品化は見送ることになりました。
磁石で挟む「マグネット日付マーカー」を商品化
次に考えたのが、磁石を使ってカレンダーの表と裏から挟む方法です。
磁石は強すぎると動かしにくく、弱すぎると落ちてしまいます。片側を磁石、もう片側を金属にする方法や、両側に磁石を使う方法などを試し、日付を囲んだまま動かしやすい組み合わせを探しました。
素材についても試行錯誤がありました。当初はアクリル板や硬いプラスチックも検討しましたが、床に落ちたマーカーを高齢者が踏み、事故につながる可能性も考えられます。そのため、硬い素材ではなく、より柔らかな素材を使うことになりました。
磁力や素材、量産方法を検討し、2017年8月にマグネットマーカー「Today」を発売しました。
現在は「マグネット日付マーカー」として、オンラインショップで販売しています。 マグネット日付マーカーによって、赤い枠で「今日」を目立たせるという目的は実現できました。その一方で、毎日動かす道具として、さらに軽く動かせて、カレンダーの表面だけで使える方法はないかという、新たな開発課題も見えてきました。

静電気を利用した新しい日付マーカーへ
2018年、開発部門から出たアイデアが、静電気を利用する方法でした。
静電気の力でマーカーをカレンダーに吸着させれば、裏側から磁石で挟む必要がありません。また、量産性やコスト面の課題も改善できる可能性がありました。素材メーカーとともに試作品を作り、静電気の強さ、サイズ、形状、日付と重なったときの見やすさなどを検証しました。
こうして、静電気の力で紙面に吸着し、指で横方向へ動かせる日付マーカーが完成しました。
しかし、開発はそこで終わりではありません‥‥。
改良を重ね、現在のスライド日付マーカーへ
初期の静電気マーカーは、使用する環境や紙質などによって、数ヶ月でカレンダーから落ちてしまうことがありました。
当初は、時間の経過やマーカーの移動を繰り返すことで、静電気が弱くなることが原因だと考えられていました。 しかし、落ちたマーカーを一つひとつ観察していくと、静電気の強さだけではなく、マーカーがカレンダーの紙面にどのように触れているかも、落ちにくさに影響していることが分かりました。
そこで、素材や形状、紙面との接触の仕方を改めて検証。落ちにくさと動かしやすさを両立できるよう、試作と改良を重ね1年以上の実地試験を終え商品化したのが、現在の「スライド日付マーカー」です。
指一本で動かせて、紙面になじむ
スライド日付マーカーは、静電気の力でカレンダーの表面に吸着します。磁石で表と裏から挟む必要がないため、日付が変わったら指一本で簡単に横方向へ動かすことができます。
色の付いた枠で日付を囲むことで、離れた場所からでも「今日」を見つけやすくなります。
スライド日付マーカーの特徴
• 色の付いた枠で今日の日付を目立たせる
• カレンダーの表面だけで取り付けられる
• 指一本で横方向へ動かせる
• のりを使わず、静電気の力で紙面に密着する
• 日付の大きさに合わせてサイズを選べる
現在は青色を中心に、日付欄の大きさに合わせた複数のサイズを展開しています。(一部の商品には赤色のマーカーもあります。) 単品での販売も行っており、リピート購入される人気商品へと成長しました。
カレンダーに「今日」を加える道具
カレンダーには、その月の日付や曜日、予定が並んでいます。 しかし、仮に日付が大きく見やすいカレンダーでも、「今日」がどこにあるのかは見る人が自分で探さなければなりません。
スライド日付マーカーは、カレンダーの中に「今日」という現在地を加える道具です。 朝、マーカーを一日分動かす。
その小さな動作によって、新しい一日の始まりを意識できます。
つまり、スライド日付マーカーは単に日付を目立たせるだけでなく、日々の時間を確かめるための小さな習慣をつくる商品でもあります。
一人の「今日が何日かわからない」という声から始まった開発は、付箋、マグネット、静電気による試作と改良を経て、現在の形へたどり着きました。 カレンダーを作るだけでなく、より見やすく、より使いやすくする。
スライド日付マーカーには、カレンダーメーカーとしてのトーダンのものづくりが詰まっています。
スライド日付マーカー
静電気の力でカレンダーの表面に密着し、色の付いた枠で今日の日付を見つけやすくする日付マーカーです。 日付が変わったら指で横方向へ動かして使います。カレンダーの日付欄に合わせて選べるよう、複数のサイズを用意しています。


Q&A| スライド日付マーカーについて
Q. スライド日付マーカーは、どのように使いますか?
A. カレンダーの今日の日付に貼るような形で貼り付けます。日付が変わったら、指でマーカーを横方向へスライド移動してください。週や月が変わるときも極力紙面から離さず、スライドして移動することで長持ちします。丁寧にお使いいただければ、1年以上性能を保つことは可能です。
Q. なぜカレンダーに貼り付くのですか?
A. スライド日付マーカーは、静電気の力を利用してカレンダーの紙面に吸着します。一般的な粘着シールのように、のりを使って貼り付ける仕組みとは異なります。
Q. マーカーが付きにくくなった場合は、どうすればよいですか?
A. マーカーの裏側の面は静電気を帯びており、貼り付けてすぐが一番強い状態です。裏側に触ったり、紙面から剥がして移動したりすると、どんどん静電気が失われるため、付きにくくなってしまいます。1度失われた静電気を戻すことはできませんので、貼り付けた後は剥がさずスライドすることで移動させてください
Q. マグネット日付マーカーとの違いは何ですか?
A. マグネット日付マーカーは2つの部品からなり、カレンダーの表と裏を挟んで使用します。一方スライド日付マーカーは、静電気の力でカレンダーの表面に密着させるため、裏側に部品を取り付ける必要がありません。どちらも赤い枠で「今日」を見つけやすくする商品ですが、取り付け方と動かし方が異なります。
Q. 高齢者施設や職場でも使えますか?
A. はい。ご家庭だけでなく、高齢者施設、病院、学校、工場、オフィスなど、複数の人がカレンダーを見る場所でも活用できます。カレンダーの日付が見やすくても、今日がどこなのかは別に探す必要があります。また2枚3枚を貼ることで、1週間2週間先の日付を目立たせるなど、アイデア次第で使い方は無限です。



