暦のしくみ
こよみの基礎知識
暦のしくみ
暦の種類
暦には大きく分けて3つの種類があります。
(1)太陽暦(たいようれき)
(2)太陰暦(たいいんれき)
(3)太陰太陽暦(たいいんたいようれき)
現在の日本の暦は(1)の太陽暦の一種であるグレゴリオ暦を使っており、世界の共通暦として用いられているものです。

新暦と旧暦
新暦とは「地球が太陽の周囲を一回りする時間を1年と定めた暦」であり、一太陽年(一回帰年)の長さに基づき暦年が設定されています。月の運行や満ち欠けなどの周期は考慮されていません。現在、世界の共通暦となっているグレゴリオ暦はこの一種で、1年を365日、4年毎に1日の閏日を置いて366日としていますが、西暦年が100で割り切れ、かつ400で割り切れない年は闇年としないと定めています。つまり400年に3度閏年でない年があり、これに従うと次回閏年がないのは西暦2100年になります。日本では明治5年(1872年)12月3日を明治6年の1月1日として改暦が実施され現在に至っています。
それに対し旧暦とは太陰太陽暦の事で、太陰暦(月の運行、満ちけによる周期的変化を基準とした暦)に季節変化(二十四節気)など、太陽暦の要素を取り入れて作られた暦です。基本になった太陰暦は、月の周期を基準にし、1ヶ月を29日あるいは30日、1年を12ヶ月と定めているので、太陽年より約11日短くなっています。そのズレを、閏月を置き調整する方法も新暦には無い特徴です(閏年には、1年が13ヶ月となります)。
ちなみに「太陰」とは月のことです。中国や日本で使ってきた旧暦は、毎月1回、太陽と月と地球が同じ方位に並ぶ「朔(さく)」という現象を含む日を、1ヶ月の最初の日、つまり朔日(1日)としました。 この旧暦は、日本では飛鳥時代に採用され、明治5年まで使われていました。

月の満ち欠け
月は太陽と地球との相対的な位置関係によって、新月・上弦・満月・下弦の順に満ち欠けを繰り返します。その平均周期を朔望月(さくぼうげつ)といい、一朔望月は29.530589日とされています。
新暦では一太陽年を十二分してひと月とし、1・3・5・7・8・10・12月を大の月で31日、4・6・9・11月を小の月で30日、2月のみ平年を28日、閏年を29日としています。一方、旧暦では朔を含む日を1日(朔日)として大の月を30日、小の月を29日とし、太陽の運行との調整をはかる意味で閏月が設けられています。
現在、天文学で使われている月の満ち欠けを表す度合いを「月齢」と呼び、新月を0とし、次の新月までの経過時間を一日単位で起算した日数で表します。上弦は月齢7前後、満月は月齢15前後、下弦は月齢22前後といった具合に、旧暦の日付けとほぼ対応するものです。
◯新月・・・陰暦で第一日目の月なので「朔(さく)」とも呼びます。西洋天文学では「New Moon」といい、ここから「新月」という言葉が生まれました。
◯上弦・・・右半分が明るい月で、弓を張ったような形をした月が西に沈む時に弓の弦が上を向いているように見えることから「上弦」と言います。
◯満月・・・丸く輝く月。電気がなかった時代には、この満月の日が最も明るい夜でした。そのため、盆踊りもこの明るい満月の夜に行われていました。
◯下弦・・・左半分が明るい月で、上弦と同じように西に沈む時に弦が下を向くので「下弦」と言います。
閏(うるう)
閏とは、暦の上で1年の日数や月数が通常のときよりも多いことです。実際の季節とのズレを調整するために設けられます。
現在世界の共通暦として使われている太陽暦では、1年を365日としています。しかし地球の公転の周期は365日5時間48分46秒のため、この差を調整するため4年に1度閏年を設け、2月29日を閏日としています。さらにこれでも生じる細かなズレを、400年に3度閏年を設けないことで調整しています。ちなみに次回閏年がないのは西暦2100年になります。