七十二候
こよみの基礎知識
七十二候 一覧
1月頃
雪下出麦/ゆきくだりてむぎのびる
一面に積った雪の下で麦の芽が出始める
芹乃栄/せりすなわちさかう
せりが青々と生えている
水泉動/しみずあたたかをふくむ
泉の水には温かさが残っている
雉始雊/きじはじめてなく
きじがめすのきじを求めて鳴く
欵冬華/ふきのはなさく
雪の下からふきの花が咲き出る
水沢腹堅/さわみずこおりつめる
沢を流れている水も寒さに凍る
雞始乳/にわとりはじめてとやにつく
にわとりが卵をかえすために抱く
2月頃
東風解凍/はるかぜこおりをとく
暖かい春風が吹いて氷を解かす
黄鶯睍睆/うぐいすなく
うぐいすが鳴き始める
魚上氷/うおこおりをいずる
解けた氷の間から魚が姿を現わす
土脉潤起/つちのしょううるおいおこる
土が湿り気を帯びてくる
霞始靆/かすみはじめてたなびく
春霞が棚引き始める
3月頃
草木萠動/そうもくめばえいずる
草や木が芽生え始める
蟄虫啓戸/すごもりむしとをひらく
冬眠していた虫が動き始める
桃始笑/ももはじめてさく
桃の花が咲き始める
菜虫化蝶/なむしちょうとなる
菜の虫が羽化してちょうとなる
雀始巣/すずめはじめてすくう
すずめが巣を作り始める
桜始開/さくらはじめてひらく
桜の花が咲き始める
雷乃発声/かみなりすなわちこえをはっす
春雷が鳴り始める
4月頃
玄鳥至/つばめきたる
つばめが南から渡って来る
鴻雁北/こうがんかえる
かりが北へ帰っていく
虹始見/にじはじめてあらわる
虹が見え始める
葭始生/あしはじめてしょうず
水辺にあしが生え始める
霜止出苗/しもやみてなえいずる
霜が降らなくなり稲の苗が生長する
5月頃
牡丹華/ぼたんはなさく
ぼたんの花が咲くようになる
蛙始鳴/かわずはじめてなく
かえるが鳴き始める
蚯蚓出/みみずいずる
みみずが姿を見せ始める
竹笋生/たけのこしょうず
たけのこが出始める
蚕起食桑/かいこおきてくわをはむ
かいこがくわの葉を食べるようになる
紅花栄/べにばなさかう
べにばなの花が咲き乱れる
6月頃
麦秋至/むぎのあきいたる
麦が熟して畑が黄金色となる
螳螂生/かまきりしょうず
かまきりが姿を見せる
腐草為螢/くされたるくさほたるとなる
腐った草がほたるに姿を変える
梅子黄/うめのみきばむ
うめの実が黄色く色づいてくる
乃東枯/なつかれくさかるる
夏枯草(かこそう)が枯れる
菖蒲華/あやめはなさく
あやめの花が咲き始める
7月頃
半夏生/はんげしょうず
からすびしゃくが生える
温風至/あつかぜいたる
暑い風が吹くようになる
蓮始開/はすはじめてひらく
はすの花が咲き始める
鷹乃学習/たかすなわちわざをならう
鷹の子が巣立ちのため飛ぶ練習をする
桐始結花/きりはじめてはなをむすぶ
桐の花が実を結ぶ
土潤溽暑/つちうるおうてむしあつし
大地がじっとりと熱を持ち蒸し暑くなる
8月頃
大雨時行/たいうときどきふる
時どき大雨が降る
涼風至/すずかぜいたる
涼しい秋風が吹き始める
寒蟬鳴/ひぐらしなく
ひぐらしが鳴く
蒙霧升降/ふかききりまとう
濃い霧が立ち込める
綿柎開/わたのはなしべひらく
綿を包む萼(がく)が開き始める
天地始粛/てんちはじめてさむし
暑さが鎮まりひんやりとし始める
9月頃
禾乃登/こくものすなわちみのる
稲が稔る
草露白/くさのつゆしろし
草の葉に白い露が宿る
鶺鴒鳴/せきれいなく
せきれいが鳴くようになる
玄鳥去/つばめさる
つばめが南へ去って行く
雷乃収声/かみなりすなわちこえをおさむ
雷が鳴らなくなる
蟄虫坏戸/むしかくれてとをふさぐ
虫が地中に巣ごもりする
10月頃
水始涸/みずはじめてかるる
田の水を落して稲刈りの準備をする
鴻雁来/こうがんきたる
かりが北から飛来し始める
菊花開/きくのはなひらく
きくの花が咲き始める
蟋蟀在戸/きりぎりすとにあり
きりぎりすが家の内で鳴く
霜始降/しもはじめてふる
霜が降り始める
霎時施/こさめときどきふる
時雨が降るようになる
11月頃
楓蔦黄/もみじつたきばむ
楓(かえで)やつたの葉が色づく
山茶始開/つばきはじめてひらく
さざんかの花が咲き始める
地始凍/ちはじめてこおる
大地が冷えて凍り始める
金盞香/きんせんかさく
すいせんの花が咲き始める
虹蔵不見/にじかくれてみえず
虹が見えなくなる
朔風払葉/きたかぜこのはをはらう
北風が木の葉を吹き払う
12月頃
橘始黄/たちばなはじめてきばむ
たちばなの実が黄色くなり始める
閉塞成冬/そらさむくふゆとなる
天地の気が塞がって冬となる
熊蟄穴/くまあなにこもる
熊が穴に入って冬眠する
鱖魚群/さけのうおむらがる
さけが群を成して川を上って行く
乃東生/なつかれくさしょうず
夏枯草(かこそう)が生えてくる
麋角解/さわしかつのおつる
さわしかの角が落ちる